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<1部リーグBIG8  2次リーグ第2節=11月19日 アミノバイタルフィールド 専大10-7桜美林大>


最終盤の大逆転劇で、「GREEN MACHINE」が劇的勝利を収めた。

ナイター開催で厳しい冷え込みの中、1次リーグBブロックを1位で通過した桜美林大との一戦。前半を終えて0ー0と両者互角の試合運びが続く。第3Q、ついに均衡を破ったのは桜美林大だった。TDとFGを決められ、0ー7と先制を許す。最終第4Q終盤、なんとか同点に追いついた専大は、試合時間残り2秒のところでFGを選択。#1加賀友貴(法3・浦和学院)が冷静に決め、10ー7と逆転。その瞬間、試合終了が宣告された。


「信じられないですね」。試合後、指揮官が真っ先に口にした言葉が物語る、劇的な結末だった。

第3Qで桜美林大に先制を許し、攻撃陣もチャンスを生かせず、7点ビハインドと重苦しい雰囲気で迎えた第4Q。二度の攻撃権を得るも得点までは繋がらず、残り時間はわずか2分ほどと、窮地に立たされた専大は、自慢のディフェンス陣による必死の守りで即座に3度目のチャンスを得る。#11福本陽生(法1・駒場学園)からのロングパスは#18平林拓己(法2・佼成学園)へと通り、一気に39ヤードの前進に成功すると、直後の1stダウンでも#11福本が放ったボールを#19陳根弘宇(商4・横浜立野)が掴み取り、そのままエンドゾーンへ駆け抜けた。#1加賀が冷静にFGも決めて7ー7の同点に。

さらに劇的展開は続く。振り出しに戻った試合は、依然として「GREEN MACHINE」に追い風が吹いていた。

代わって攻撃の桜美林大は、残りわずかな時間で勝ち越すべく、ロングパスを通して大きく前進する作戦。しかし2ndダウン、相手選手が放ったボールを掴んだのは緑のユニフォームの#44嶋影晟仁朗(法3・浦和学院)だった。ここぞの場面でICを成功させ、残り時間的に最後の攻撃権を得ると、1stダウンで#2後藤僚汰(法3・舞岡)がパスキャッチから攻め込む。その後はランプレーが続き、迎えた4thダウン、専大はFGトライを選択。この時点で残り時間は2秒だ。この極限の場面をスタジアム中が固唾を飲んで見守る中、キッカーの#1加賀は「決めたらヒーローだなと。決めることしか考えていなかった」と重圧を物ともせず。相手のタイムアウトで間を作られ、緊迫する時間が続くが『あの時間は嶋影から「冷静に待ってろ!」と指示があった。嶋影に感謝です」と自分のペースを乱さなかった。2度のタイムアウト後、仕切り直しのFGトライ。36ヤード地点から勢いよく蹴り上げたボールは、長い対空時間を経て、クロスバーの間を見事に通過。喜びを爆発させる選手たちと、大歓声を送る総立ちのスタンドは、寒さを吹き飛ばすかのような熱気に包まれていた。FGの成功によって3点を追加し、この試合初めてリードを奪ったところで、残り時間は0秒に。「GREEN MACHINE」が大激戦を制した。

▲極限の場面でも落ち着いて蹴り抜いた加賀

▲選手たちは喜びを爆発させた

渡辺監督は試合を振り返り、「試合前から言っていたが、最後まで勝つことを諦めない、どんな状況になろうとも。それを選手たちが実現してくれただけなので、感謝です」と選手をねぎらった。試合前から指揮官の構想で「ディフェンスには本当に信頼を置いている。(点を)取られても最高で(TDが)2本、14点で抑えてくれると。だからオフェンスに関しては(TD2本で)14点、プラスFG(3点)の合計17点取れば絶対に勝てる」と選手たちに繰り返し伝えていた。


▲ディフェンス陣はこの日も奮闘

第4Qについては「ディフェンス様様じゃないけれど、きっちり止めて相手をパントに追い込んでくれて、オフェンスにチャンスを与えてくれたというのが本当に1番大きい」と、ここでも絶大な信頼を置くディフェンス陣の粘りを讃えた。試合後の選手たちの前では「もうこういう試合するなと(笑)。もっと楽な試合をしろと。久々に笑っていましたけど」と顔をほころばせた。

次戦の青学大戦が2次リーグ最終戦となるが、他チームの結果次第ではTOP8との入替戦「チャレンジマッチ」出場の可能性が残っている。指揮官は再び表情を引き締め「まずは必ず青学を倒す」と力強く語った。


文・写真=萩原健丸(経営2)



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