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Sep
12:15 am
硬式野球
平成27年度東都大学野球秋季2部リーグ戦・青学大2回戦
9月27日(日)青学大グラウンド
東洋大2-1青学大
(イニングスコア)
2回戦 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 |
青学大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 |
東洋大 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | X | 2 |
(東洋大)
増渕、○原(4勝1敗)―後藤田
二塁打:中川
1 | (遊) | 阿部健(営3=帝京) | 4 | 1 | 0 |
2 | (右) | 小笠原(営4=大社) | 1 | 0 | 0 |
右 | 大川(営4=PL学園) | 2 | 1 | 0 | |
打 | 茶谷(営3=東北) | 1 | 1 | 0 | |
走 | 竹原(法1=二松学舎大付) | 0 | 0 | 0 | |
右 | 安西(営3=聖光学院) | 0 | 0 | 0 | |
3 | (二) | 林(営4=桐生一) | 2 | 0 | 0 |
4 | (指) | 中川(法1=PL学園) | 4 | 1 | 0 |
5 | (中) | 笹川(営3=浦和学院) | 2 | 0 | 0 |
6 | (三) | 田中将(営2=帝京) | 3 | 0 | 1 |
7 | (一) | 久保(営3=桐蔭学園) | 2 | 0 | 0 |
打 | 西川(営2=浦和学院) | 1 | 0 | 0 | |
一 | 原澤(営2=前橋工) | 0 | 0 | 0 | |
8 | (左) | 城之内(法4=東京学館) | 2 | 0 | 0 |
左 | 木村(営4=愛工大名電) | 3 | 1 | 0 | |
9 | (捕) | 後藤田(営4=東洋大姫路) | 1 | 0 | 0 |
26 | 5 | 1 |
名前 | 回 | 打 | 安 | 責 |
増渕(営4=鷲宮) | 42/3 | 16 | 4 | 1 |
○原(営4=東洋大姫路) | 41/3 | 15 | 1 | 0 |
田中将の一打が試合を決めた。
ベンチに戻ると全員から祝福を受けた。
五回に相手のミスにつけ込んで同点に追い付き、その後田中将(営2=帝京)が犠飛を放ちこれが決勝点となった。投げては五回途中から救援した原(営4=東洋大姫路)が毎回の7奪三振の好投を見せ、接戦をものにした。
『気持ち』。これは試合後、田中将が何度も口にした言葉だ。まさにその『気持ち』が乗り移った一打だった。五回、捕逸の間に同点に追い付き、なおも続く好機に打席へと向かった田中将。「配球はあまり気にせず、来た球を打とう」。2球目の甘い直球をとらえると飛距離十分の犠飛。打った瞬間こぶしを高く突き上げた。「癖です。それくらい気持ちが入っていました」。この試合初めてのリードを奪い、ベンチは大きく沸いた。
1打席目の好機では当たりは悪くなかったものの、「どこか振り切れていないところがあった」と言うように、もう一つ打球が伸びずに凡退。「準備が足りていない」と語ったその打席の反省を活かし、犠飛を放った五回の打席では「3人くらい前」から対策を練った。準備万端で向かうところだったが、打席に入る直前に投手が交代。それでも『気持ち』でプレーするのが売りの田中将。「投手が代わっても向かって来いという思いでいた」と交代を気に留めることは無かった。
今でこそスタメンに名を連ねているが、春はベンチ入り無し。背番号すら付けることができなかった。「気持ちも折れかけて、なんで野球やってるんだろう、辞めようかなと思ったこともあった」。そんな時、高橋監督や主将の原を始めとする周囲の支えがあった。その支えが田中将を思いとどまらせた。「支えてくれた人達のためにも、今季は結果を残そう」。その思いが今の原動力となっている。夏の強化練習期間では1日300スイング以上、精力的にバットを振り込んだ。そして迎えたこの試合。絶好の場面でその成果を発揮して見せ、高橋監督と原に最高の恩返しができた。「ティーバッティングや素振りをしていたことが、結果として出てすごく嬉しい」と話し、同時に笑顔も見せた。
前日の試合では2打席連続の三振を喫して途中交代。「『気持ち』が折れそうだった。いや、折れましたね」と振り返った田中将。しかし、高橋監督からは「明日使うぞ」と一言。期待に応えるため、試合後の打撃練習には『気持ち』を入れて取り組んだ。そして「難しい場面でしっかり打ってくれたよ」と高橋監督に言わせてみせた。
この試合で3試合連続のスタメン入り。試合に出続けることで、徐々にその姿は頼もしくなってきた。チームは3カード連続で3回戦までもつれ込み、厳しい戦いが続いている。そんな中で現れた期待の星、田中将。今、波に乗る2年生が『気持ち』のプレーでチームに追い風を吹かせる。
■コメント
・高橋監督
負けちゃいけないプレッシャーかな、最初は苦しんだ。増渕は四回までよく放ってくれたんだけど、五回はツーアウトからほっとしたんだろうな。六回から原に抑えでいってもらおうと思っていたから。原は昨日と同じで良かった。大川はラッキーボーイ。最後の秋だからってよくやってくれている。田中は難しい場面でしっかり打ってくれたよ。守りでも難しいゴロをきちんとさばいて、今日はついていたよ。
・田中将(営2=帝京)
体が開かないようにセンター方向を意識していた。そう思っていた時に、甘いコースに直球が来た。 (打った瞬間に右手を突き上げたが)癖です。でも、それぐらい気持ちを入れている。二回の打席は当たり自体は悪く無かったが、どこか振り切れていないところがあった。準備が足りていないと思ったので、五回のチャンスの時には(打席が回ってくる)3人くらい前から準備していた。配球はあまり気にせず、来た球を打とうという考えで打席に立ったのが良かった。(直前に投手が代わったが)投手が代わっても向かって来いという思いでいた。 (昨日は2三振で交代)気持ちが折れそうだった。いや、折れましたね。でも、そこで開き直らなくてはと思った。監督さんにも昨日、明日使うぞと言われていたので、打撃練習から気持ちを入れた。 (スタメン出場が続いているが)ある程度結果が残せてきているからだと思う。自信もついてきた。スタメンということに気負い過ぎると昨日のような結果になってしまう。(大学に入って)バットを振る量が格段に増えた。ティーバッティングや素振りをしていたことが、結果として出てすごく嬉しい。強化練習期間では1日に300〜500は振っていた。春は1回もベンチに入っていなくて、背番号ももらえなかった。気持ちも折れかけて、なんで野球やってるんだろう、辞めようかなと思ったこともあった。そこで監督さんや原主将など、周りの支えのおかげで気持ちを立ち直させることができた。支えてくれた人達のためにも、今季は結果を残そうという思いで秋は臨んでいる。(明日へ向けて)今日は正直あの(犠飛の)1点だけだった。まずヒットを1本、もし打てなくても声で守備を盛り上げていけるようにして、必ず勝ちたい。
TEXT=菅野晋太郎 PHOTO=菅野晋太郎、浜浦日向