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Oct
02:26 am
バスケ
第91回関東大学バスケットボールリーグ戦
10月17日(土)日本体育大学世田谷キャンパス
東洋大60-63大東大
14|1Q|8
4|2Q|21
15|3Q|16
27|4Q|18
スタートメンバー
2 山口健大(済3=桐光学園)
11 中村晃太郎(済3=幕張総合)
25 島崎脩(ラ3=松本蟻ヶ崎)
54 マッカーサーエリックジュニア(国1=デイナ)
88 山本大貴(済3=市立船橋)
持ち味のリバウンドはもちろんシュートにも磨きがかかるエリック
井上は得意のスリーポイントで得点を量産した
大東大にわずか3点差で惜敗した。リーグ戦序盤、昨年度1位のチームを相手に白星を挙げ、3連敗を止めた歓喜から1か月。その再現とはならず、2連敗を喫してしまった。
「勝敗はすべて2Q」と中村(済3=幕張総合)が振り返るように、得点が入らなかった8分間が大きな痛手となった。今試合を1Qごとに見ると、1、4Qは点差をつけてリードを奪い、3Qも1点差に抑えている。一方、2Qは17点差をつけられ負け越し。敗因は明らかだ。「いいシュートは打っていたが誰を使ってもあれだけ入らないのは大きな問題」。目(さっか)監督が語るように、2Qに入るとシュートが一向に決まらなくなってしまった。井上(済4=昌平)、杉田(済1=市立船橋)、川上(済1=市立船橋)などシューターを積極的に起用するも1点にはつながらず、わずか4点にとどまる。反対に外からのシュートを沈めていく大東大にじわじわと離され、厳しい展開となった。
それでも気持ちを切り替えた後半は「マンツーマンとゾーンのディフェンスを使いわけたのが効いた」と相手チームに合わせたディフェンスがうまくはまり、追い上げを見せる。4Qには井上の連続スリーポイントや、中村と山本(済3=市立船橋)、エリック(国1・デイナ)が得点を量産し終了間際で5点差まで詰め寄った。しかし逆転には時間が足りず60対63で無念のブザーが鳴り響く。「最後取り返すにはきつい部分があった」。2Qの内容に悔いが残る惜しい敗戦となった。
今試合、チーム最多得点を挙げたのはエリックと井上だった。エリックは大学入学とともにバスケを始めた選手である。にもかかわらず、ずば抜けた身体能力の高さを生かしたリバウンドを武器にチームに貢献し、現在2部リーグブロックランキングでも1位に位置する。今試合では立ち上がりから次々とシュートを決め、チームに勢いをつくった。また目(さっか)監督は、2Qでチームが崩れてしまった要因を「エリックにファウルが3つたまっていて、後半のことを考えると使えなかったことが影響した」と話す。流れを変える選手に成長しつつあるエリックは今後の試合でもキーマンとなるだろう。
一方、シューターとして出場しながらも今季はなかなか調子が上がらなかった井上。前試合ではついにベンチから外されてしまい悔しい思いをしていた。それでも2試合ぶりのチャンスに「今日使ってもらえることになって頑張ろうと思っていた」と奮起。2Qの終盤や4Qなど勝負所でこん身のスリーポイントシュートを沈め、ベンチからも歓声が上がった。残る試合に向けて「15年間やってきたバスケの最後。だから悔いのないように全力でプレーをしたい」と意気込んでいる。最上級生の意地を見せる井上のスリーポイントに注目だ。
5勝8敗で現在7位の東洋大は、次戦を落とせば3部との入れ替え戦が見えてしまう。何としても白星を勝ち取りたい中でまず修正しなければならないのは、今試合で見えた1試合を通しての集中力である。「明日は全員が4Qしっかりやっていきたい」。エリックがこう掲げたように、チーム一丸となって士気を保つことができれば勝利をつかめるはずだ。
■コメント
・目(さっか)監督
敗因は2Q。いいシュートは打っていたが誰を使ってもあれだけ入らないのは大きな問題だった。(崩れてしまった原因は)エリックにファウルが3つたまっていて、後半のことを考えると使えなかったことが影響した。エリックはリバウンドを頑張ってくれたし、リーグ戦を重ねるうちに感覚などもわかってどんどん良くなっている。シュートも良くなったし来年も楽しみな存在。(他に敗因は)大東大にはインサイドに大きい選手がいて、そこを抑えなければ簡単に点を決められてしまうので、必然的にうちのディフェンスが小さくなる。そこへスリーポイントを入れられてしまった。マンツーマンとゾーンのディフェンスを使いわけたのが効いてはいたが、リバウンドを取られてしまうと厳しかった。(次戦へ向けて)上位を目指さなければならないので、明日勝って頑張ります!
・井上(済4=昌平)
久々にシュートが入って調子が良かった。今日で5勝8敗になってしまったので明日は絶対に勝って入れ替え戦は逃れたい。もう一回チーム一丸となって頑張ろうと思う。(課題は)個人としてはシュートを積極的に狙うことと、声が出せなかったこと。チーム的には2Qの4点というのはまずい。そこで点数をもっと取らないとダメだなと。敗因は終わってから話したが、2Q。(先週は応援席にいたが)4年生なのに情けないプレーをしてしまって、監督からも「使わない」と言われてメンバーから外されてしまった。今日使ってもらえることになって頑張ろうと思っていた。今日はシュートも入って良かった。(スリーポイントシュートを多く決めていたが)リーグ戦序盤は調子が上がってこなかったが、今日は一本目を決めてから入る気しかしなくて。そこから去年みたいな手応えを感じた。15年間やってきたバスケの最後。だから悔いのないように全力でプレーをして、応援に来てくれる人には感謝しかない。あと、親にも感謝の気持ちでいっぱい。最後頑張っているところを見せたい。チームでも下の入れ替えをなくして上を目指して最後まで頑張っていきたい。
・中村(済3=幕張総合)
勝負はすべて2Q。点もリバウンドも取れなくて勝負が決まってしまった。最後取り返すにはきつい部分があったかなと。(選手内では)シュートは打てているがなかなか入らなかったので、「思い切り打とう」ということと「そういうときこそディフェンスとリバウンドを頑張ろう」と話していた。逆にディフェンスとリバウンドを頑張れた後半はいい形でオフェンスもできて追い上げることができた。(ゲームを組み立てる上で意識したことは)途中、オフェンスが重くなってしまったので展開を速くしようとしたり声をかけてやろうと。集中力が欠けてしまうときが毎試合何度かあるので、そこをどう修正していけるかだと思う。明日も自分の役割をしっかりこなして、他に出ているメンバーが思い切りやれるようにしていきたい。
・エリック(国1=デイナ)
負けてしまったが、試合は楽しかった。1、3、4Qはやることをしっかりやれていたが、2Qで4対21という大差で負けてしまった。そこが一番反省しなければならない。(シュートやリバウンドがよく決まっていたが)今週は調子が良かったので、練習のときと同じような感じで自分のバスケをやろうと思って攻めた。(後半への切り替えは)2Qで点数をつけられてしまい、落ち込んでしまった。でも、その気持ちのままだと負けてしまうから気合い入れていこうと話していた。明日は全員が4Qしっかりやっていきたい。
TEXT=石田佳菜子 PHOTO=高橋雪乃、福山知晃