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May
08:11 am
硬式野球
平成28年度東都大学野球春季1部リーグ戦・国学大2回戦
5月19日(木) 神宮球場
東洋大3-2国学大
思い切り振り抜いた打球は待望の適時打に
全身で表した喜びが伝わってくる
「気持ちを切り替えて」と剃った頭に、主将の気合を感じた。七回、先頭打者が四球で出塁すると相手投手が交代。代わり端を上手く捉え、代打の上島(営4=佐久長聖)が投手強襲の当たりに気迫のヘッドスライディング。全身土まみれのユニフォームで出塁すると、次の打者は死球を選び一気に満塁に。最高の場面で打席が回ってきた。「みんなが役割を果たして作ってくれた場面。チャンスを無駄にしなくてよかった」と打球は三遊間を抜け、左前へ。均衡を破る先制2点適時打を放ち、塁上では今までに見たことのないほどのガッツポーズ。「(今までなかなか結果が出ず)悔しかった」と、4月12日の本塁打以来となる打点を挙げ、何度も雄叫びを上げた。今カードでは「気分転換に」と、これまでの指定席であった4番から1番に打順を変更。しっかりと結果を残してみせた。
前日の試合、最後の打席に立ったのは笹川だった。あと一点で同点という展開の中、得点圏に走者がいたものの結果は遊ゴロ。「自分があまりに貢献できなかったのが敗因」と嘆き、”昇格即優勝”の可能性は消滅してしまった。昨年までとは違い、初めて経験する主将という立場に、背負うものも変わり求められる打撃も変化した今季。「今日のゲームの差はキャプテンの差だ」と、試合前に指揮官がかけた言葉からも、主将の重大さが伝わってくる。六回に見せたヘッドスライディングは「姿勢で引っ張る主将でいたい」と語る自身の理想の主将像と重なった。
優勝こそ逃したものの、「秋につながる試合をしたい」と主将は次を見据えた。勝ち点を取り、いい形で今季を締めくくりたい。
■コメント
笹川主将(営4=浦和学院)
ああいうところで打ててよかったなと思います。昨日も最後の打席とか、全然打てていなかったので、ここだけは打ちたいなと思って。死球や上島の強い当たりだったり、皆が役割を果たして作ってくれた場面だと思うので、チャンスを無駄にしなくてよかったです。優勝はないですが、チームとしていい終わり方ができるように、秋優勝できるように頑張ります。ミーティングで、「今日のゲームの差はキャプテンの差だ」と言われていた。人間的な意味も含め、そういうところの弱さが最終回打てないところにつながってくると思います。
TEXT/PHOTO=美馬蒔葉