10
Jun
08:39 pm
ボクシング
第71回関東大学ボクシングリーグ戦
6月9日(土)後楽園ホール
●東洋大 4-5拓大○
【LF】●豊嶋(判定)○重岡
【F】○福井(判定)●内構
【B1】○堤(判定)●山本
【B2】●田村(判定)○庄司
【L1】○木村蓮(RSC)●関根
【L2】○今永(判定)●古川
【LW】●中川(判定)○柴田
【W】●原田直(判定)○浦嶋
【M】●黒川(ABD)○梅村
初勝利をした今永
安定した試合を見せた福井
防御力がある堤
2RでRSC勝利した木村蓮
1勝1敗で迎えたリーグ戦折り返し地点。優勝するためにはこれ以上の負けは許されない状態で挑んだ相手は拓大だ。リーグ戦負け無しの福井(営4=駿河学園)、初勝利をあげた今永(営1=王寺工)の軽量級選手たちが健闘するも4−5と惜敗し、悔しい結果に終わった。
今期初出場のLF級豊嶋(営2=横浜総合)は1R目を手数多く攻めた。しかし2、3R目には相手にパンチを入れられることが増え、試合終盤、顔面にパンチを受けカウントを取られ、判定負けしてしまう。
嫌な流れを切るかのように今回もF級の福井が見せてくれた。繰り出された多くのパンチは相手の顔や身体を確実に捉えていた。3R目に入っても福井は疲れを見せず、相手の大振りのパンチから隙を見てジャブからのストレートを顔に決め、5−0の判定勝ち。今期リーグ戦3連勝中と安定したボクシングでチームに一勝をもたらした。続いたルーキー堤(営1=習志野)も「パンチを当てさせないボクシングができた」と言うように、集中力を切らさず相手のパンチを交わし、確実にパンチ決め、見事判定勝ち。
L級には前試合怪我で出場できなかった木村蓮(営3=飛龍)が登場。怪我からの復帰後ということもあり体調は万全でないにも関わらず打ち合いを制した。力強いパンチで膝をつかせカウントを奪い、そのまた直後に左のパンチを顎にヒットさせ、カウントを取り、2R目2分21秒でRSC勝ちとなる。またリーグ戦2試合出場するも未だ勝利出来ずにいたルーキー今永が活躍を見せた。「勝たないと後がない状況だったので、絶対に勝つつもりでいた。」と語ったように1R目から攻めのボクシングが見られた。激しい打ち合いが繰り広げられ、相手をコーナーに追い込む。相手の攻撃を受けてはいたが、それを上回るパンチを顔や身体に決めていく。連続して打ち込まれるパンチとともに応援席は盛り上がり、試合は今永の流れになった。2、3R目は相手のペースになってしまったが、負けじと左でボディーブローを決め、リーグ戦初勝利を収めた。
軽量級の活躍もあり、4―2と東洋が優勢の状態で迎えたLW級中川(ラ4=高知)とW級原田直(営4=崇徳)だったが、距離を詰められる場面が多く、相手ペースになってしまい、まさかの判定負け。重量級の黒星が続き、4―5と勝ち点を取られてしまった。
前回の駒大戦と今回の拓大戦の2戦連続負けは優勝争いに大きな痛手だ。残りの試合はいかに大差で勝つかが重要となってくる。「最低でも順位をキープして来年につなげたい。ここからは全部勝って、東洋は強いな、脅威だなと思わせて後輩につなげたい」と語る主将原田直。一人一人の一勝を確実にするために短い期間で練習を積み、残りの2戦に挑む。
■コメント
・三浦監督
伝統ある強豪拓殖大学相手に全力で、ベストメンバーで挑んだが、そのポイントポイントで勝たなければいけない選手が負けてしまったので、そこがやっぱり勝てなかった原因じゃないかと思う。特に中川、原田直樹、ここ2つを落としたっていうのが1番大きかった。技術に頼りすぎてフィジカルの弱さが試合に出ていた。フィジカルの重要さというのを選手個人がしっかり考えて補強していかないと当たり負けする。(駒大戦と拓大戦では)そういう試合が多かった。優勝するには差をつけて、大差で勝たなければいけなかったので、相手のM梅村君は勝ちまではちょっと厳しいなっていうのはあったが、あと他のメンバーは勝負になると思っていたのでそこをごっそり勝つというのが目論見だった。B2田村、LW中川、W原田直樹ていうところに出来れば勝って欲しかった。そうしたら優勝の可能性がまだあったところだった。そこでフィジカル差が出た。試合の内容は良かった選手もいたが、リーグ戦は団体戦なんで、チームが負けたから、MVPも何もない。次戦に向けてしっかり各選手一戦一戦集中して、団体戦だけども一人一人が100%仕事をするっていうのを心掛けて、そのためにしっかり練習するていう事をしてほしい。
・福井(営4=駿台学園)
個人では勝てたけどチームが負けてしまうとやはり気持ちよくない。相手はまだ1年生だったから自分のペースでボクシングができた。経験の差が出たかなと思う。反省点は上体は動いたけど脚を前後にあまり動かせなかったところ。自分でも思ったし指摘もされたから気をつけたい。次戦からも一戦一戦これで終わりという気持ちでやっていく。
・堤(営1=習志野)
自分の甘さが出た試合だった。1、2Rは自分のジャブでボクシングをすることができたが、3Rは少し疲れてしまってそういう体調管理だったり調整がうまくできていなかったかなと。相手との相性は悪くなかった。どんな相手だろうが前の方の手が大事だと思う。なるべくパンチを当てさせないというボクシングを今日はできた。次戦もなるべくパンチを当てさせずに自分だけが打つ、ダメージを最小限に収めるようなボクシングをしたい。
・木村蓮(営3=飛龍)
前々回に試合の前に体調を崩してしまい、本当に動きが悪くて、頭からいってケガをしてしまった。次の駒大戦に出られなくなりチームに迷惑をかけたので、休んでいた駒大戦の時に、自分で考えながら練習をして、自分の距離で戦う意識をずっとしていた。緊張はしていたが、しっかり自分の距離で戦えて、最後はちゃんとタイミングよくパンチが当たって倒せたので良かった。結果も内容も70、80点くらいは取れたと思うが、コーチに手や足がまだ遅いと言われているのでそこをもっと追求して、もっと高みを目指していきたいと思う。本当は今回も試合に出ないつもりだったが、前回チームが頑張ったが負けてしまったのを見て、出たいという気持ちがすごく強くなった。なんとしてでも出ようという中で、コーチに動きがよければ出してやると言われたので、しっかりと意識しながら練習をして、今日まで持ってこられた。(カウントを取ったときの手応えは)タイミングなどを自分のものにできていたので、ラウンドを重ねていけばいけるかなと思っていた。(次戦に向けて)自分の距離で戦うことを意識して、まず個人で勝って、チームでも勝てればなと思う。
・今永(営1=王子工)
1戦目、2戦目で自分は負けていたので絶対に勝たないと後がない状況だったので絶対に勝つつもりでいた。1R目は良かったが、2、3R目は相手のペースになってしまったのでそこを意識して対処出来るようになりたい。始めはやりやすい相手だと思ったが、大学生なので自分より体も強くて力で押し込まれてまだまだだなと思った。(ここまでの2戦を振り返って)1戦目の相手はオリンピックも経験してて技術でも全然上回っててまだまだ足りないところがあった。2戦目も高校のときは勝っていたが、それが驕りになってて反省している。今回はパンチをたくさん打ってもスタミナを蓄えて体を疲れさせないようにするという考えをもってやった。今までの反省を生かして、中大戦ではまだまだ練習をして臨みたい。
・原田直(営4=崇徳)
浦嶋とやるときはいつも泥試合のなってしまうので、自分の距離を保ってやろうと思ったが近い距離になることも多かったので自分のボクシングを貫けなかったのでああいう判定になるのはしょうがないと思う。遠い距離でやれば自分が有利だから相手はどんどんくる。そこを相手に近づかせないように動かなくてはいけなかったのに運動量も半分以下だった。(チームとして)東洋は今年優勝候補と言われていたのに前回駒大に負けたので、もう一度強いところみせようといってリングに上がった。チームの雰囲気はそんなに悪いわけではなかったが、勢いに押し切られた。もちろんまだ全部負けられないし、最低でも順位はキープして来年につなげたい。ここからは全部勝ってやっぱり東洋強いな、脅威だなと思わせて後輩につなげたい。
TEXT=松井美乃 PHOTO=梅山織愛、中村緋那子、岡村珠里